脱毛に関する知識

産後はいつから脱毛できる?授乳中の脱毛が身体・母乳へ与える影響とは

産後はいつから脱毛できる?授乳中の脱毛が身体・母乳へ与える影響とは

授乳中って、ムダ毛処理のタイミングが難しいですよね。まさか子供と一緒に入るお風呂でのカミソリ脱毛は出来ないし、「今から脱毛するから、子供みてて」なんて旦那に頼むわけにもいかないし。かといって、容赦なく育ち続ける全身のムダ毛を放置するわけにもいきません。

しかも、妊娠中や出産後に「ムダ毛が濃くなった」という女性も多いのではないでしょうか。私なんかも獣のように渦巻くお腹の毛に、恐怖を感じたものです……。

また育休中で脱毛サロンの予約が取りやすい今だからこそ、脱毛に通いたいという人もいるでしょう。育休が終わり復職すると、仕事・家事に加えて育児に追われ、今まで以上に忙しい毎日が待ち構えています。時間的に余裕のある育休期間中に、脱毛を終わらせたいですよね。

でもよく耳にするのが「授乳中は脱毛NG」というウワサ。妊娠中なら分かるけど、本当に授乳中の脱毛でも、身体や母乳(しいては赤ちゃん)に対して影響があるのでしょうか。

結論から言うと、授乳中の脱毛は基本的にNGです。母乳や赤ちゃんへの影響はありませんが、母体に対する影響・リスクなどの懸念点があります。

でも場合によっては、授乳中でも脱毛施術が可能なクリニック(医療脱毛)もあります。ただ脱毛が可能とは言っても、リスクがないわけではありません。そのためどんな影響・リスクがあるのかなど、このページをしっかり読んで把握し判断できるようにしておきましょう。

このページでは授乳中の脱毛に関する疑問・不安を解消するため、次のような点に関しての調査結果を掲載しています。

産後はいつから脱毛できるの?脱毛再開のタイミング

産後はいつから脱毛できるの?脱毛再開のタイミング

出産後、いつから脱毛の施術を受けられるのでしょうか? 脱毛再開のタイミングを見極めるポイントを4つにまとめました。あなたの体調や体の具合と照らし合わせながら、読んでいただければと思います。

産後の脱毛再開タイミングのポイント4つ

後の脱毛再開タイミング4つのポイント

赤ちゃんとの生活に少しずつ慣れてくると、むだ毛が気になるけど自己処理が大変だからサロンに通いたい、育休中だからこそ脱毛してしまいたいと考える人もいるでしょう。

脱毛は、直接肌にふれて行う施術です。産後の体を考えて、再開のタイミングを考える必要があります。では、さっそく4つのポイントを詳しく見ていきましょう。

〈産後の脱毛開始ポイント①〉 生理の再開

Point

生理の再開=妊娠前と同じ状態に戻ったと判断できる

脱毛の再開でポイントになるのは「産前と同じ状態の体に戻ったかどうか」です。そこで重要なのが、まず生理が定期的にきちんと戻ってくることです。なぜなら、生理が通常通りに戻る=妊娠前の状態に戻る、ということだからです。

ユニチャームのアンケート結果を見ると、産後3ヶ月で生理が戻った人が約30%、半年以内が20%なので、約半数の人が6ヶ月以内に生理が戻っています。ただ、授乳中でも生理が戻ることはあるいっぽうで、授乳をしている間、半年から1年の間、生理がこなかったという人も少なくありません。

生理再開の時期は個人差があります。授乳中でもミルクと半々という状況だと、わりと早くに生理が戻ることもあり、一概には言えませんが、とにかく生理が再開することでいったん体が妊娠前の状態に戻ったという目安にはなるでしょう。

ただし、一度の生理で「再開した」と断定できません。生理がある程度定期的にくるようになる、つまり2〜3回きたところで、ほぼ産前と同じ状況になったと考えるほうが良いようです。

例えばミュゼの場合、「母乳が止まり、生理が2~3回来てからの再開」と公式サイトにも載っています。脱毛サロンやクリニックの「脱毛再開の時期について」は後半で一覧として掲載していますので、参考にして下さい。

〈産後の脱毛開始ポイント②〉 授乳の状況は

〈産後の脱毛開始ポイント②〉 授乳の状況は
Point

生理の再開とも関係があるが、授乳しているかどうかが脱毛再開では重要である

母乳の分泌には「プロラクチン」というホルモンが影響しています。

プロラクチンとは

プロラクチンはホルモンの一種で、妊娠中に乳腺を発達させ、産後は母乳の分泌を促す働きをする。多毛化(毛が増える、濃くなる)の要因のひとつでもある。また、プロラクチンは排卵を抑制する働きもある。

生理再開が「脱毛再開の目安」と言いましたが、プロラクチンが分泌されている間は、排卵が抑制される、つまり、生理が再開しにくくなるということです。だから授乳している間は、生理が戻りづらいことが多いのです。

また、授乳をしている間は乳房はたっぷりと張っています。どのような姿勢をとっても、乳房の張りが辛く、脱毛施術を受けるのに適した時期とは言えません。

授乳中でも生理が再開することはあります。ですが、おっぱいの張りやホルモンの影響を考えても、やはり授乳をしている間、生理が戻ってきていない間は脱毛再開のベストタイミングとは言えないですね。

〈産後の脱毛開始ポイント③〉 多毛化の問題

Point

毛がどんどん増えている時期に脱毛をしても「生える→脱毛する」の〝追いかけっこ〟状態で、脱毛効果はあまり期待できない

妊娠や出産で、お風呂に入ると「髪の毛がよく抜けるな」と思うことがありませんか?と、同時に、産後ふと体を見ると、なんとなくむだ毛が増えている、濃く目立つ毛が多くなった気がすることも。

私の場合、お腹と、あとは足ですね。スネのむだ毛、ほとんど「ひじき」みたいに黒くて太くなりました。あれ見た時の衝撃は大きかったですね。もうスグに脱毛したい!と思ったものです。

産後はホルモンバランスが崩れるために、多毛化することもよくあります。授乳時に分泌されるプロラクチンがここでも影響を与えています。プロラクチンが分泌されている間は多毛化が起こりやすいと言われています。

むだ毛が増えている時期に脱毛しても効率が悪いですよね。お金も時間もムダに使うことになってしまいます。

〈産後の脱毛開始ポイント④〉 体力・体調は回復したか

体力・体調は回復したか
Point

産後の体調によって脱毛再開の時期も考えるべき

出産直後は赤ちゃんを授かった喜びで一杯ですが、なにしろ子育ては大変です。特に退院してしばらくは、まだまだ体調も万全ではない上に、数時間おきの授乳、おむつ替え、お風呂と、赤ちゃんのお世話も忙しく、ゆっくり寝る間もありません。

昔から言われるように、産後1ヶ月はしっかり休みをとることが、体の快復にも繋がります。脱毛に限らず、この時期に必要のない用事で体が疲れるような外出は控えたいところです。

少なくとも、赤ちゃんの首がすわり、少しはまとまって寝てくれるようになる生後2ヶ月から3ヶ月くらいまで、脱毛再開を今少し待つようにしましょう。

赤ちゃんの成長と共に、ママの体調も快復していきます。

生後半年にもなると、赤ちゃんの睡眠時間もある程度まとまってくるし、お世話にも慣れてくるので夫に預けて数時間家をあけることもしやすくなります。個人的な意見ですが、私自身は赤ちゃんが6ヶ月くらいを過ぎると、預ける方も安心だし、出かけやすいかなと思いました。

いずれにしても授乳しなくても、生理が戻るのには3ヶ月程度かかります。まずは体調が復活し、赤ちゃんとの暮らしのペースに慣れてから、脱毛の予定をたてていくのがベストです。

産後の脱毛はサロン・クリニックによって対応が違う!

産後の脱毛はサロン・クリニックによって対応が違う!

産後の脱毛開始時期の目安を一覧にしました。一般的に「授乳が終わったら」「生理が安定して戻ってきたら」脱毛再開というところが多いですね。

脱毛サロン・クリニックの産後「脱毛再開時期」の目安

脱毛サロン・クリニック 産後の脱毛開始時期
母乳が止まり生理が2〜3回きてから

授乳期間終了後
授乳期間終了後
初めての生理を迎え、授乳が終わり次第
出産・授乳を終え
生理が2~3回順調にきてから

授乳期間終了後

産後3ヶ月以降
授乳中は部位によってOK

要相談

産後2ヶ月以降
授乳期間終了後

*授乳中で脱毛ができるとしているクリニックでも、もちろん状態によります。基本的にはすべて「相談してから」ということになります。

産後の脱毛再開について、あくまで「目安」としての開始時期です。どこの脱毛サロン・クリニックでも初回にカウンセリングがあり、そこで産後何ヶ月か、授乳しているかといった質問に答えます。

授乳中でも体調次第で脱毛してくれるところもあれば、例えば授乳期間中は乳輪まわりや胸の脱毛はできないが、足や腕の脱毛はできる、など、対応は様々です。必ず、最初のカウンセリングで、または直接店舗に連絡をして、正確に「いつになったら脱毛再開できるか」を確認しましょう。

医療クリニックは授乳中も脱毛できる場合がある

医療クリニックの脱毛は、授乳中でも胸まわりなど一部をのぞいて、脱毛OKとしているところが多いですね。医療機関なので、急な体調不良などにも対応できることから、産後の体調が回復すれば脱毛可能としているクリニックが多いのでしょう。

産後の体調等は個人差が激しいので、どこのクリニックでも明確な決まりがあるわけではありません。あくまで「目安」ですあり、医師の診察を受け、相談した結果、脱毛再開の時期を判断します。つまりは「脱毛再開時期は要相談」ということですね。

授乳中に脱毛OKの可能性があるクリニック

授乳中に脱毛OKの可能性があるクリニック

授乳中でも、脱毛してくれるかどうか、大手医療脱毛クリニックを調査してみました。

クリニック 授乳中の脱毛の可否
×
×

「授乳中に脱毛したい!」クリニックにまず相談

一覧の表で「×」になっているところでも、どうしても授乳中だけど脱毛したい場合、まずは相談してみることをお勧めします。というのも、授乳とひと言で言いますが、

  • 完全母乳
  • ミルクと混合
  • 時々ミルクも使用

いろいろなケースがありますね。ほぼ完ミ(ミルク)だけど、寝る時だけおっぱいに吸い付いてくるので、一応「母乳もしている」といったこともあるでしょう。

また、全身脱毛は無理だし、これから脱毛を初めて行う場合は断られるけど、これまで脱毛施術を受けてきて、最後の1〜2回分、しかもヒザ下だけ、という状況であれば、クリニックがOKを出すということもあり得ます。

人それぞれ、授乳の状況も脱毛の状況も違いますから、まずはクリニックに相談してみましょう。

VIO脱毛も可能なの?

結論から言うと、授乳中のVIO脱毛も可能です。

とはいえ、これも状況によります。たとえば、最近は少なくなっていますが出産の際に「会陰切開」をした場合、傷が完全によくなるまで、当然ながら脱毛はできません。帝王切開をした場合も、同じです。

授乳中の脱毛がNGの理由

授乳中の脱毛がNGの理由

一般的に授乳中の脱毛はNGとされています。ここでは「なぜ、授乳中は脱毛の施術がNGと言われるのか」その理由を説明します。

授乳中の脱毛は避けるべき理由4つ

授乳中に脱毛の施術を受けることは、できるだけ避けたほうがよい理由は4つあります。ひとつずつ、詳しく見ていきましょう。「なぜ脱毛を避けたほうがいいのか」がわかれば、逆に「どういう状況になったら、脱毛を再開してもいいのか」自分なりに脱毛再開の時期を考える参考になると思います。

①〈授乳中の脱毛はNG〉 理由は肌トラブルのリスクが大きくなるから

女性は妊娠と出産を経て、体に大きな変化が起こります。乾燥肌になったり、腕や顔がかゆくなったり、知らずとシミやそばかすが増えていることもよくあります。ユニチャームのアンケート結果では、実に90%の女性が産前産後で肌に変化があったと回答しています。

原因はいろいろあり、ホルモンバランスの乱れ、生活習慣の変化によるストレス、産後の体質変化などが挙げられます。それでなくても産後の肌はトラブルを招きやすい状態です。

脱毛の施術はどの方法であっても、肌に刺激を与えます。敏感な肌に、さらに強い刺激を与えるのは肌トラブルのリスクを招く可能性が高くなります。

②〈授乳中の脱毛はNG〉 多毛化のリスクがある

授乳中は、プロラクチン(ホルモンの一種)の影響で多毛化しやすい状態です。毛が濃くなる、増えている状態なのに、脱毛の施術を受けたところで、効果は半減ということにもなりかねません。授乳が終われば多毛化は落ち着きます。

脱毛の施術はそれからでも遅くはありません。

③〈授乳中の脱毛はNG〉 脱毛効果が低い傾向にある

〈授乳中の脱毛はNG〉 脱毛効果が低い傾向にある

産後から授乳中は、ホルモンバランスが崩れることもよくあります。妊娠すると、女性ホルモンのプロゲステロンとエストロゲンが増えます。ところが出産すると、今度はこれらの女性ホルモンが激減します。ホルモンバランスのアップダウンが激しいわけです。

さらに授乳中はプロラクチンが増えます。つまり、産前産後と授乳期間はホルモンバランスが大きく変化するわけです。いつもと違う体の状態なわけですから、妊娠前と同じような脱毛効果が得られるかはわかりません。

②の多毛化でお話ししたように、授乳期間に毛が増えることもよくあり、せっかく脱毛しても効果がわかりづらい、効果が得られにくい傾向があります。

④〈授乳中の脱毛はNG〉 万が一の投薬が限られる

授乳中は当然ながら、母乳を通じて赤ちゃんの体に影響を与えます。ですから、授乳中は飲んではいけないとされている薬があるわけです。これは本当に万が一のことですが、脱毛の施術中になんらかのトラブルがあったとして、薬を使用できない可能性があります。

大きなトラブルでないとしても、投薬ができないことで、トラブルが長引く、治療ができないという場合もあるでしょう。だから授乳期間の脱毛はあまりオススメできません。

母乳・赤ちゃんへの影響はない

母乳・赤ちゃんへの影響はない

脱毛することによって、「子供への影響」「母乳への影響」があるかという点ですが、それは心配はいりません。脱毛に使用される光脱毛機は、肌の深部まで届くのではなく、ムダ毛の根本のみに反応して脱毛効果が得られるというもの。内臓をはじめ、母体に影響を与えることはありません。

したがって、脱毛の施術を受けたからといって母乳自体には何の問題もなく、赤ちゃんにも悪い影響はありません。

刺激によるストレスで母乳の出方に影響がある可能性はある

母乳そのものに脱毛の施術が影響を与えることはありません。

とはいえ、脱毛の施術を受けて痛みを感じて辛いとか、何かしら施術中に不安や不満を感じることがあり、ママのストレスとなれば、母乳の出に影響を与える可能性もないとは言えません。

産後の体はストレスに弱く、ママのストレスや感情は赤ちゃんにも伝わっていきます。ママの気持ちが不安定になることは、赤ちゃんとママの関係に良いとは言えませんから、あえて脱毛をする理由もない、と言えますね。

授乳中のダメージが少ないムダ毛処理方法とは?

授乳中のダメージが少ないムダ毛処理方法とは?

授乳中に脱毛の施術は受けない方がいいことはわかったけれど、かといってむだ毛をそのままボーボーにしておけません。ここでは授乳中に肌へのダメージが少ない、オススメのむだ毛処理の方法を紹介します。

授乳中の脱毛は「電気シェーバーで処理」がオススメ

電気シェーバーは直接刃が肌に当たらないため、毛穴を傷つけにくいので産後・授乳中の敏感肌にもおすすめです。お風呂場でなくても利用でき、赤ちゃんがちょっとお昼寝している時にささっとお手入れできるところもママには助かります。

ただ電気シェーバーにも摩擦という刺激があります。ムダな刺激を与えないよう、ジェルなどの潤滑剤を上手に利用して下さいね。保湿クリームなどでしっかり肌のお手入れも忘れずに!

やってはいけない!毛抜きやカミソリの脱毛・自己処理

やってはいけない!毛抜きやカミソリの脱毛・自己処理

そもそも毛抜きやカミソリでの脱毛は、妊娠出産に限らず、あまりオススメできません。毛抜きは皮膚を強い力で引っ張り、大きな負担をかけます。第一、1本ずつ毛を抜くのは大変すぎます。

カミソリでの処理は簡単なのがメリットですが、ちょっと間違えるとケガをしたり、肌を傷つけます。さらにカミソリで剃った後は、むだ毛が斜めにカットされた状態で、黒いポツポツした跡が目立ちます。カミソリの自己処理を続けると、色素沈着がおきる可能性もあります。

授乳中の脱毛は、できるだけ控えたほうがいい

授乳中の脱毛は、できるだけ控えたほうがいい

産後、授乳中の脱毛はできれば避けたいところです。産後、むだ毛が目立つようになり気になる、時間のある育休中に脱毛したい、もう少し大きくなったらベビースイミングに行きたいし、旅行とかも行くようになるだろうし、「だからむだ毛の処理を今のうちにしておきたい」その気持ちはよくわかります。

産後の疲れや体調の変化は自覚していなくても、誰にでもあり得ることです。わざわざ効果が出にくい時期にお金を払って脱毛するのはもったいないでしょう? さらには肌荒れといったリスクもあり、授乳中の時期に無理をして脱毛をする必要があるとは思えません。

早ければ生後6ヶ月で離乳食をはじめ、母乳からミルクに切り替えるママもいます。比較的、早くから保育園に預ける場合、授乳をやめミルクへ移行するママも少なくありません。せめて半年待てば、卒乳して生理が戻り、通常通りの脱毛を受けるようにすることもできるわけです。

他にも、どうしても気になる、目につく部位だけ脱毛してもらうという方法もあるでしょう。

できれば授乳中の脱毛は控えたほうがいいのでは、と思います。ほとんど全ての脱毛サロン・クリニックが「授乳中完了してから」あるいは「授乳中でも脱毛はできるが要相談」となっているのは、それだけの理由があるということですね。