脱毛をしようとして契約を結んだあと、脱毛サロンが倒産してしまった時はどうなるのでしょうか?実は契約した後脱毛サロンが倒産してしまうと、返金してもらえる可能性はほとんどないのです。
契約前に不安になった方のために今回は倒産しないサロンの選び方や万が一倒産してしまった時にどうすればいいのかをご紹介します。
倒産しない脱毛サロンを選ぶポイントとは
脱毛サロンと契約を結ぶとき、選ぶ基準の一つにしておきたいのが倒産しにくいことです。
契約後に脱毛サロンが倒産してしまった場合、今まで通り施術を受けることはできません。しかし支払ったお金を返金してもらえる可能性はほとんどないのです。
脱毛サロンを選ぶとき、サービスや金額などとともに倒産しにくいことを基準にしておくことをおすすめします。
とはいえ倒産しにくいサロンを選ぶといっても、経営状況をお店だけを見て判断するのはなかなか難しいことです。しかしいくつかのポイントを押さえれば、倒産しにくいサロンを選ぶことができます。倒産しにくいサロンを選ぶためのポイントを紹介していきましょう。
大手サロンを選ぶ
大手サロンと中小サロンを比較した場合、大手サロンの方が倒産しにくい傾向にあります。
帝国データバンクの調査によれば、理美容業界の倒産件数は2017年の調査で151件あり、そのうち140件は負債総額が5,000万円以下の小規模サロンです。割合にすると92.7%を占めていました。
つまり大手サロンに比べると、個人サロンや中小規模のサロンの方が倒産しやすいということです。
大手サロンだからと言って倒産しないとは言い切れませんが、小さなお店を選ぶより大手サロンの方が安心感があるといえるのです。
長く営業しているサロンを選ぶ
長く営業しているサロンは、それだけ固定客を持ち、安定した経営をしているといえます。その分オープンしたてのサロンより、倒産しにくい傾向にあるのです。
エステ業界では開業して1年以内に閉店するサロンが6割、3年以内に閉店するサロンは9割だとする説があるほど、長く安定してサロン経営することは難しいことです。逆に言えば3年、5年、10年と営業しているサロンは、それだけきちんとした経営をしているといえます。
同じ地域で長く営業できているサロンは、それだけ信頼度が高いサロンなのです。
返金制度や解約制度をしっかり説明してくれる
倒産しそうなサロンの特徴として、都合の悪い説明はなるべくせず、ごまかそうとするというものがあります。例えば返金制度や解約制度など、サロン側には都合が悪い制度を説明せず、解約や返金を防ごうとするのです。
逆に言えば、返金制度や解約制度などお店側に都合が悪いこともきちんと説明してくれるサロンは、それだけ誠実で顧客を大切にした営業ができているということです。顧客を大切にするサロンは安定した経営につながります。契約前に「途中で解約した場合はどうなりますか?」「返金はしてもらえますか?返金する場合はどのような方法がありますか?」とこちらから確認して、サロンの対応を見極めてみるのもよいでしょう。
脱毛サロンを選ぶときは、都合が悪いことも含めて契約前にしっかり説明してくれるサロンを選びましょう。
解約について解説した記事はこちら
支払いの方法を現金以外も選べる
倒産しそうなサロンの特徴としてもうひとつ、現金払いを異常に強く押してくるというものもあります。経営が傾いている時、とにかく営業を続けるために資金をかき集めるため、月末にしか入金されないカード払いではなく今すぐ資金が集まる現金払いにさせるのです。
契約時、支払い方法の選択肢を確認することは、お店の経営状況を知るひとつの方法です。現金払いにするつもりでも「支払い方法は選べますか?」と聞いてみるのがおすすめです。
口コミがよい
サロンについての口コミをチェックすることも、倒産しにくいサロンを選ぶ大切なポイントです。
倒産する前のサロンの中には、スタッフのやる気がなかったり、接客があまり良くないサロンが多くあります。サロン内が整頓されておらず、雑然としているのも要注意です。倒産前にはスタッフへの給与が未払いになる場合もあるため、やる気を失ってしまうことがあるからです。そもそも倒産しなくても、スタッフの態度や店舗の衛生状態が悪いサロンは選びたくないですよね。
口コミには嘘も含まれていますが、同じような悪い口コミが並んでいる場合は、なんらかの原因がサロンにあると考えられます。口コミもしっかりチェックして、サロン選びの参考にしましょう。
↓こちらのページでは、スタッフ対応をはじめとしたクチコミをチェックできます!
大手サロンでもあった!脱毛サロンの倒産トラブルとは
脱毛サロンが急に倒産することなんてあるの?と思いがちですが、実際にはかなりの数の脱毛サロンが開業しては閉店していきます。特に個人がやっている小規模サロン、限定した地域で2、3店舗を営業している中規模サロンが倒産しても、なかなか大きな問題にはならないため、あまり実感を持つ方は少ないのです。
しかし契約していた脱毛サロンがいきなり倒産してしまったら、契約した方にとっては大問題です。なぜならすでに支払ったお金が返金される可能性はほとんどなく、今まで通りの施術を受けることもできなくなってしまうからです。小さなお店であっても、そこで契約していた数十人にとっては大問題。それが何百人、何千人が契約していた大手脱毛サロンなら、社会問題になるほどです。
ここからは実際の倒産の事例を紹介しながら、どんなトラブルが起きたのかを見ていきましょう。
エタラビ倒産は社会問題にも!
2017年4月に大問題となったのが、大手脱毛サロンであるエターナル・ラビリンス(通称エタラビ)を運営する株式会社グロワール・ブリエ東京の破産でした。これにより、エタラビと系列店であるラットタットの会員は、契約しすでにお金を支払っていたのに、脱毛が受けられなくなってしまったのです。
エタラビとラットタットは全国に100店舗展開、会員数は9万人に上っていました。エタラビが倒産したきっかけは、2016年に消費者庁から9カ月の業務停止命令を受けたことです。広告費用の増大などにより運転資金が足りず、解約を希望した会員へ返金を拒否したことなどによって停止命令が出され、解約が急増して倒産となりました。
違法な施術で摘発されるサロンも!
中小のサロンでは、医師法違反やお客様にやけどを負わせるなどのトラブルがあり、倒産してしまうものもあります。最近では2014年に姫路市の脱毛サロンが、医師免許を持たないエステティシャンに医療レーザーを使った光脱毛を行ったとして摘発されました。
このサロンでは違反行為をしていただけでなく、知識がないエステティシャンが強すぎる照射を行ったせいで310人もの人にヤケドを負わせていたのです。お金が返ってこない上に、ケガまでしてしまうのは辛すぎます。
大手サロンはきちんと医師法を守って施術を行うところがほとんどですが、個人店や小規模、中規模のサロンではオーナーの意向が強く、違法な施術を行ってしまうこともあるようです。すべての個人サロンが違法という訳ではなく、きちんとしたサロンの方が多いのですが、安全性という面でも大手サロンの方が安心といえるでしょう。
大手との競争激化で中小サロンが倒産しやすい
倒産しにくいサロンの選び方でもご紹介しましたが、大手サロンと中小サロンでは、圧倒的に中小サロンの方が倒産しやすい傾向にあります。大手サロンが倒産した場合、影響を受ける方が多いためニュースなどになり、印象に残りやすいのですが、その陰で数多くの中小サロンが倒産、廃業しています。
先ほども紹介した帝国データバンクの調査では、2017年の理美容業界の倒産件数は151、そのうち140件は負債総額が5,000万円以下の小規模サロンでした。大手サロンが価格を引き下げるなどして競争が激化する中、競争力の少ない中小サロンが倒産してしまうのです。
参考までに、店舗数の多い大手脱毛サロン、クリニックをピックアップしました。
大手脱毛サロン・クリニックの店舗数
店舗数 | |
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177店舗 | |
70店舗 | |
69店舗 | |
63院 | |
56店舗 | |
54店舗 | |
53店舗 |
もちろん、「店舗数が多い=倒産しづらい」とは限りませんが、大手脱毛サロンを探す際の参考としてみてくださいね。
脱毛サロンの倒産トラブルに巻き込まれてしまった時の対処法
なるべく倒産しにくい脱毛サロンを選んだとしても、なにかのきっかけで倒産トラブルに巻き込まれてしまうことはあり得ます。そんな時にはどんな対応をしたらいいのでしょうか?
契約している脱毛サロンが倒産した時にできること
自分が契約している脱毛サロンが倒産してしまったときはどうすればいいのでしょうか?
契約していたサロンが倒産した場合は以下のような手続きをとりましょう。
契約書を確認する
まずは契約書を確認しましょう。契約書の中に「前受金保全措置」という記載があるかどうかはとても重要です。この記載がされば提携している金融機関から返金してもらえる可能性があります。
クレジット分割払いの場合は支払いを停止する
クレジットで分割払いの契約をしている場合は、引き落とし停止の連絡をクレジット会社、信販会社に申し出ます。必ずしも支払い停止できるというわけではありませんし、すでに前払いしてしまった額が返金されることもほとんどありませんが、支払額を少なくすることはできます。
消費生活センターに相談する
消費者生活センターは消費者の側に立って相談に乗ってくれる機関です。返金されない、これからの施術がどうなるかわからないなどの不安を相談し、対応策を教えてもらえます。内容が悪質な場合などは消費生活センターが返金手続きなどを行ってくれる場合もあります。脱毛サロンが倒産した場合以外でも対応が不誠実、施術でヤケドしたのに対応して貰えないなどの場合は相談してみましょう。
消費者ホットライン:局番なし188(いやや)
ホットライン平日バックアップ相談:03-3446-1623
受付:平日10時~12時、13時~16時
日本エステティック協会に相談する
エステの施術を受ける中で、サロンとは直接交渉できないトラブルなどの相談に乗ってくれる機関として、AEAエステティック相談センターというものがあります。これは一般社団法人日本エステティック振興協議会が運営しており、エステに関するトラブルについて対処法を教えてくれたり、回答、助言してくれる機関です。相談が可能なのは週3日ですから注意してください。
AEAエステティック相談センター:03-5212-8805
受付:月・水・金曜日の12:30~17:00
脱毛サロンが倒産しても返金はしてもらえない
脱毛サロンが倒産した場合、すでに支払ったお金を返金してもらえる可能性はほとんどありません。倒産した場合、会社が持っている残りの資金はとても少なくなっています。その少ない資産から優先的に支払われるのは、従業員への賃金と法律で定められているのです。
従業員の未払い賃金を支払えば、会社の資金が残ることはほとんどありません。そのため、顧客に返金される可能性はゼロに近いのです。
大手サロンなら救済措置がある場合も
大手サロンが倒産した場合、多くの顧客が窮地に陥り、社会問題になることがあります。その場合、事業を継続した企業や他の大手エステサロンが救済措置をとる場合があるのです。まずは情報を集めるため、自分が契約していたサロンのサイトや口コミサイトなどで救済措置がないか、返金を受けられる可能性はないかを確認してみましょう。
例えば先ほど紹介したエタラビの倒産では、顧客に返金はされませんでした。しかしエタラビの事業を引き継いだミュゼプラチナムで、定価の35%の価格を支払えば引き続き脱毛を受けられる救済措置がとられたのです。
返金されない上に35%とはいえさらにお金を支払わなくてはいけないなんて!と思うかもしれません。しかし本来なら返金されず、脱毛の施術も受けられない状態だったのが、次のサロンで65%オフで施術を受けられたと考えると、なにもないよりはよかったと思えるのではないでしょうか。
エタラビ以外でも、2007年にネプチューンという大手エステサロンが倒産した時にはグランモアが、2000年にエステdeミロードが倒産した時にはたかの友梨ビューティクリニックが救済措置をとっています。
個人店では保証を受けられる可能性はほとんどなし
大手サロンの倒産の際は救済措置が受けられることもありますが、個人サロン、中小サロンが倒産した場合はほとんどありません。影響を受ける人の数が少なく、ニュースなどにもなりにくいことから、救いの手を差し伸べてくれるサロンが出てこないのです。計画的に閉店する場合であれば返金を受けることもできますが、倒産してしまった場合は返金もされず、泣き寝入りになってしまうことがほとんどでしょう。
脱毛サロンが倒産しても返金されない!安心できる大手サロンを選ぶのがおすすめ
脱毛サロンが倒産した場合、返金される可能性はほとんどありません。お店が閉鎖されてしまうため、引き続き施術を受けることもできません。このようなトラブルを避けるには、長く安定して続いているサロン、信頼できるサロン、クリニックを選ぶことがおすすめです。不安な場合は一括で支払うのではなく、都度払いや月額支払いを選ぶのもよいでしょう。
安心して信頼できるサロンを選んで、ムダ毛のないツルツル肌を手に入れてくださいね。